先進的英語教育

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公立大学における英語学講義、
英語科教育法での学生によるデモンストレーション・レッスンのご紹介

授業のご紹介
2019/01/07

横浜市立大学国際総合科学部准教授・土屋慶子先生によるall English英語学講義と、英語科教育法での学生によるデモンストレーション・レッスンを見学してきました。

*横浜市立大学は1928年に設立された、横浜市金沢区に本部を置く公立大学。共通教養(学部共通の必修科目)にPractical Englishという英語科目があり、実践に役立つ英語授業を全学部で行っている。3年次進級の条件がTOEFL-ITP500点取得であり、all Englishの講義や英語で研究論文執筆など、高い標準の英語教育、英語による講義を実施している。


当日は①英語学(意味論・統語論)と②英語科教育法での学生によるデモンストレーション・レッスンの二コマの講義を見学しました。
どちらの講義もall Englishで且つCLILのノウハウを活かしたかたちで行われました。
土屋先生は、CLILの本場スペインの大学と共同でCLIL教員養成について研究されていることを始め、欧州のCLIL事情に精通されています。
同学でCLILを導入された経緯をお伺いしたところ、まず土屋先生は前提として、教育の場は社会実践の場と捉えていらっしゃること。一方、これまでの英語教育は抽象的な言語知識を学ぶことが中心であったとの問題意識から、CLILに注目されたとのこと。:「CLILでは英語を使っていかに学ぶことができるのかが重要であり、知識を学び、学習者間の協働により知をつくり出すための手段として英語(言語)が必要であるというように、教授・学習の実践、学習者の学びの経験が大きく変わる特長があります。そして学生・生徒たちは学習者であると同時に、その言語を使用する主体(エージェント)として、CLIL実践により創り出されるコミュニティの中で、自らの意見、立ち位置を模索し、表出していきます。」
このように英語教育での「社会実践を変容させていく」ところが、CLILが言語教育にとどまらず、学びの本質に大きく関わる重要なポイントだとのお考えを土屋先生はお持ちでした。意味論の授業では5種類ある単語グループをWord family, Semantic field, Synonyms, Antonyms, Hyponymsのいずれかに分類する等幾つかのタスクを学生に与えるなど、専門知識(content)の理解と学生に深い思考(cognition)を促す工夫がありました。ペアワーク・グループワークの中で学生同士のcommunityも形成されており、all Englishでのcommunicationと併せ、CLILの理想と言える授業という印象でした。
学生によるデモンストレーション・レッスンでは、各々の学生がユニークなレッスンプランを準備し、流暢な英語で授業を行いました。どの学生も生徒役の学生がアクティブに授業に参加できるタスクを与える工夫がありました。また発表者以外の学生から活発に改善提案が行われるなど、双方向での実践的な授業でした。
理科のCLIL授業では、Dew point(露点)など気象概念の理解をしっかり深めた上で、英語表現を学ぶ流れの授業を行った学生もいて、よくCLILのノウハウを習得されていることに感心しました。