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大阪府立高校におけるコミュニケーション英語授業のご紹介

授業のご紹介
2019/11/27

「大阪府立箕面高等学校で、ジグソー法を用いた『英語コミュニケーション・英語Ⅰ』の授業を取材してきました」

【大阪府立箕面高等学校について】
大阪府立箕面高等学校は1963年北摂の箕面市に開校した。2001年ハットバレー高校(NZ)と姉妹提携し、その後2006年マヌカウ工科大学(NZ)、マッコーリー大学(豪州)と高大連携協定を調印するなど海外留学に安定して取り組む体制ができ上がっている。2015年に大阪府の骨太英語力養成事業指定17校の1校に選ばれて以来、定評ある英語教育を更に充実化させ英語4技能、特にoutput重視の実践的教育を行っている。普通科とグローバル科の2科制の下、各教科の教員が横断的に密接に連携する校風があり、近年では複数の教科内容を英語で学ぶCLIL(Content and Language Integrated Learning)授業を成功裡に実施している。


森田琢也先生による1年生対象のコミュニケーション英語授業の場所は広々とした図書館で、海外大学のラーニングコモンズを思わせる自由な雰囲気の中で行われました。手法は英語を使ってのジグソー法という高度なものです。生徒全員が医科大学の研修員という設定で早速エキスパートグループに分かれ、

Aグループは“白血病とはどのようなものか?”

Bグループは“白血病の治療法”

それぞれスマートフォン等で調べ学習を行いました。各グループの発表から、白血病は血液の癌であり、その原因は不明な上に治療法も未確立というショッキングな結論が出た後、森田先生から「余命宣告を受けたいか受けたくないか?」というBIG QUESTIONが出されました。
ジグソー法により全生徒が責任を持って調べ学習をした上で、誰もが本気で考えたくなる質問を与えたことにより、無関心の授業ではなく“自分ごと”の学びが実現できていました。更に、先生は誰かの答えが正解ではなく、それぞれの思いが正解であるということをクリアーに説明されたので、生徒一人一人が深く自分の頭で考えている様子が窺えます。

生徒が余命宣告の是非について考えた結果は、スマートフォンのアプリPoll Everywhereを活用してリアルタイムで意見統計が視認できる環境でした。生徒の関心は更に高まった様子です。積極的に長文を読みに向かう姿勢を自然に身に付ける方法(例:課題英文を図書館内の各所に貼り、生徒自らが歩いて読みに行く)など、効果的なノウハウが随所に見られました。
同校は毎年コンスタントに多くの海外留学生を輩出しています。一年を通して、他校の先生が同校授業を視察に訪れていることの理由がよく分かりました。