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「神奈川県立高校でのコミュニケーション英語授業のご紹介」

授業のご紹介
2020/02/18
神奈川県立鶴見総合高等学校

「神奈川県立鶴見総合高等学校で『コミュニケーション英語Ⅱ』の授業を取材してきました」

【神奈川県立鶴見総合高等学校について】
2004年に神奈川県立平安高等学校と神奈川県立寛政高等学校を統合し、単位制総合学科高等学校として開校。学力の向上を図るとともに、体験活動を重視した教育活動を展開するため、「グローバル教養系列」・「芸術スポーツ系列」・「情報ビジネス系列」・「生活デザイン系列」と4つの系列科目を設置。生徒が学ぶことの楽しさや達成感を味わい、自らの『やりたい!』『できる!』『わかる!』『しりたい!』を発見するよう促している。また「未来探索」というキャリアガイダンス科目を学習することで、自己選択や体験的学習を通して育む生きる力、社会の一員として責任に基づいて行動する能力、自分を大切にし他者を理解し相互を高めあう能力を養っている。海外にルーツを持つ生徒も多く在籍することから、共通言語の英語を用いて教科内容を学ぶCLIL(Content and Language Integrated Learning)授業を3年前から実施している。


高木由香里先生による、2年生対象の all English で行う『コミュニケーション英語Ⅱ』の授業を見学しました。


黒板には授業開始時から

Review yesterday's lesson ⇒ Roles of aquarium ⇒ Read the story ⇒ Wrap Up

と、タスクの流れが時間ごとに明記されていて、all Englishでも全ての生徒がやるべきことをきちんと理解できるようにする工夫が見られます。授業のメインテーマは教科書のトピックにあるaquarium(水族館)の役割としており、生徒全員が自分の考えをワークシートに記入した上で、数名が英語で発表を行うというものでした。
その際に高木先生は「Let’s check answers.」ではなく、「Let’s share ideas.」と呼び掛けていました。これは、唯一の答えを求めるのではなく、生徒一人一人のユニークな考えを尊重し、みんなで聞く(共有する)という姿勢を授業で表したものです。これにより、生徒は各自で思考を深めたようでした。
英文法関連事項では「~ , which」構文を数多く取り組ませることで、説明を広げていく汎用性の高い表現を自然に生徒が身につけている場面もありました。授業を通して様々な英語力の生徒に対し、無理なくやるべきことを理解するよう促す工夫が随所に見られ、その指導が奏功してか、クラス全体の一体感が伝わってきます。
生徒が各自、課題事項を思考し有用な英語表現を身に付けるという授業展開は、実践的英語力を着実に強化していくものである…先生も確信を持って指導にあたっている印象を受けました。