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鎌倉市にある、私立女子中高一貫校の英語コミュニケーション授業のご紹介

授業のご紹介
2023/01/13
清泉女学院中学高等学校

*清泉女学院中学高等学校 1947年に中学校が、1948年に高等学校が横須賀市で開校。1963年に鎌倉市でも自然豊かな場所に移転し、まもなく設立75周年を迎える。設立当初から女性の社会的自立を目指し、グローバルな視野を養える様々な教育プログラムを実践している。英語教育に関しては、中高全学年で習熟度に合わせた最大4レベルのクラス編成できめ細やかな授業を展開している。発話・発表の機会が多くあり、人の発表をしっかり聴く一方で、英語で自己表現ができる生徒を育てている。


当日は、高校1年生の英語コミュニケーションⅠアドバンストクラス(4段階習熟度別のうち、上から2番目のクラス)の授業を見学しました。身近で平易なタスクから入り、テキストの単元のテーマであるjournalismについて徐々に理解を深めていくユニットの初回の授業でした。導入の授業英語科の白井龍馬先生が流暢な英語でペアワークの指示を出し、“ What did you do during the winter vacation? ”と聞き合うタスクで始まりました。どの生徒も発音が正確であり、しかもきちんと相手の目を見てコミュニケーションをする態度が身に付いていました。同じタスクをペアの相手を変えて複数回行いましたが、クラス全体で滞りなく新たなペアリングができていました。一人一人の生徒が自分のやるべきことをしっかり自覚して、能動的に授業に参加する習慣が身に付いていることが窺えました。次に、journalismについて理解を深めるため、まずは写真が人々に与える影響を考えました。“ When do you take photos? ”といったシンプルな問いにより、生徒の日常で写真がどのような存在かを発表し合い、その上でjournalismにおける写真の意義を考えるという流れでした。重要な語彙については、白井先生が模範の発音を示した後、ペアで日本語から英語へ、英語から日本語へ直しながら着実に定着させていく手法でした。カンボジアの街並の写真を見ながら生徒一人一人がカンボジアに行きたいかどうかの気持ちとその理由、更に行くのであれば何を食べてどういうことをするかを発表するタスクは異文化理解がし易い印象でした。65分の最後の15分は、生徒全員が授業の振り返りとして気づいたことをスプレッドシートに記入しました。振り返る際の観点はCLILの4Csである、Content, Communication, Cognition, Cultureを用いており、自分の現状の分析をCLILのメソッドで行うというユニークなものでした。清泉女学院中学高等学校の生徒たちが、社会的に自立してグローバルに活躍する人材へと育っていくことがイメージできる、素晴らしい授業でした。END