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埼玉県和光市にある公立高校の英語コミュニケーションⅠの授業のご紹介

授業のご紹介
2023/01/19
埼玉県立和光国際高等学校

*埼玉県立和光国際高等学校 昭和62年に公立高校としては全国初の国際高校として開校した。「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」を目指し、卒業後を視野に確かな学力・語学力・国際的視野の育成に取り組んでいる。Read, See & Thinkをモットーとし、英語教育では1年・2年・3年それぞれの学習到達目標をCAN-DO リストの形で明示して、ディスカッション、プレゼンテーション、ディベートなど様々な言語活動を行っている。


当日は普通科1年生の英語コミュニケーションⅠの授業を見学しました。外国語科の加藤遼先生が流暢な英語で、“Do you think Japan is making enough efforts to preserve its cultural heritages and why or why not?”と問い掛け、Pro(意見に賛成)とCon(意見に反対)それぞれの立場に生徒が分かれて行うディベートから授業が始まりました。どの生徒もディベートへの参加意識が高く、ペアを変えるたびに相手の目を見て会話を始める習慣が身に付いていて感心しました。授業の事前準備として、加藤先生が作成されたハンドアウトのインストラクションに基づき各生徒がProとConの両方の立場の意見とそれぞれの論拠や予想される反論まで予習として英語で記載しており、これがクラス全体で高度なディベートを実現できる要因だと思いました。ディベートの途中で加藤先生が、他の生徒のopinionは必ずrespectすること、一方そのreasoningに不明な点があれば質問しましょうと、ルールを丁寧に確認されていたことも、生徒が積極的にディベートを行えることに繋がっている印象でした。グループワークでは4名を1グループとし、Speaker、Questioner、Facilitator、Supporter(当該クラスでは「ドラえもん」という呼び名であった)の4つの立場に分かれて役割を明確にしました。その上で生徒が発言と質問を繰り返し議論を発展させていて、単元内容をきっかけに思考を深めている様子でした。授業の後半では加藤先生が生徒にこれまでのやり取りに関し、reflection(振り返り)を促し、発表や質問内容を更にレベルアップする工夫がありました。最初から最後まで全ての生徒が集中して各タスクに取り組んでいました。和光国際高等学校では、特別な英検対策をしなくても英検2級に多くの生徒が到達するということも頷ける素晴らしい授業でした。END