東京都世田谷区にある私立女子中高一貫校の英語論理表現授業のご紹介
*聖ドミニコ学園中学校・高等学校
学校法人 聖ドミニコ学園は1954年に設立され、同年目黒区に小学校を開校した。1962年世田谷区岡本の現在地に移転。幼小中高よりなる総合学園となった。2019年に教育刷新を行い、2つのコース(インターナショナルクラス・アカデミックコース)を開設。インターナショナルコースでは、英語・数学・理科3教科の年間授業を「all Englishイマージョン」で実施するという、出色の先進的取り組みを行っている。
中・高等部が掲げる教育core conceptは、①Sustainability (持続可能性=長期的視野)②Design(デザイン力=ひらめきや思考を表現できる)③Connect (つながる=受容力・対話力・語学力)、である。全校でPBL(Project Based Learning)に取り組み、ICT教育にも力を入れていることが同校の21世紀型教育を特色付けている。英語コミュニケーション力を高めるため、丁寧なインプットからプレゼンテーションやレシテーション(暗唱)トレーニングまで英語4技能のバランスを配慮した多様な英語教育を行っている。高校3年生は学年の半数近くが英検2級に合格するという実績をあげている。
インターナショナルコース高校2年論理表現授業:オーストラリア人のDore先生と、日本人の原先生によるティームティーチングでの英語論理表現授業を見学しました。all Englishで行われました。
当日のテーマはciting(情報の引用)で、参考書籍やwebsiteをチェックする際に重要な「著者は誰か」、「情報ソースのタイトルは何か」といった項目をDore先生が解説することから授業が始まりました。
引用関連の専門用語についてもDore先生が “What is the meaning of, et al?”と問いかけると生徒が“That means, and others.″と答えるなど、高度なやり取りが続きます。情報ソースの特徴を比較するため、GoogleとGoogle scholarそれぞれのwebsiteで生徒が思いついた同じ言葉を検索してみて、情報のレベル・内容の違いを体験のなかで認識するタスクもありました。その上で当日の目標であった、良い情報ソースと悪い情報ソースを根拠付けしながら見わけるタスクを3~4人のグループに分かれて行いました。
情報ソースの良し悪しを見わける共通の指標としてはCRAAPが使われました。これは各情報をCurrent(最新の)、Relevant(適切な)、Authoritative(権威ある)、Accurate(正確な)、Purposeful(目的のある)の5つの視点で調べる方法です。
色々なwebsiteについて生徒が評価を行い、advantage(利点)は新しい情報が豊富に掲載されていること、disadvantage(問題点)はno evidence(根拠が無い)であることなど、活発に意見交換を行い授業が終わりました。
こうした授業を継続していけば、生徒が社会人となってからも役立つ情報管理能力と論理的表現力が身につくことが予想できて、深く感銘を受けました。
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