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豊島岡女子学園中学校・高等学校のall English数学CLIL授業のご紹介

授業のご紹介
2024/12/16

【豊島岡女子学園中学校・高等学校について】
2022年に創立130年を迎えた東京都豊島区にある私立女子中高一貫校。創立時より一貫して女性として、人として備えるべき優しさ・礼儀作法・品位を重視した教育を行っており、授業前の5分間の運針(雑念を捨てて無心になる)や、小笠原流礼法の専門家による和室・洋室での礼法マナー講習は必修である。5教科全てに増加時間を設け、特に数学と英語の時間を多くしている。グローバル教育にも定評があり、ニュージーランド・カナダ・イギリスでの2週間強の海外研修をはじめ、全般的な英語力のスキルアップのためネイティブ講師が指導する。またEnglish Academicsや模擬国連、その他様々なプログラムが用意されている。2018年にはスーパーサイエンスハイスクールに指定され、理系に強い生徒が多いことも特徴である。中学3学年を対象とした、教科横断型のSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Math)を英語で学ぶ「STEAM英語」や、昨今注目されている、数学などの教科を英語で学ぶCLIL授業も含め、多様で充実した学びを実現している。教科間連携については総合企画の教員主導のもと英語教員が教科担当教員から単元内容を学ぶなどしてハイレベルな取り組みを行っており、「探究集中実習」では英語と体育の教員がチームを組んでパラリンピックの競技を生徒に体験させるなどユニークな授業を行っている。


豊島岡女子学園中学校・高等学校

探究集中実習での高校2年生の数学授業は英語科主任(学年副主任)須藤佳与先生がall Englishで行いました。授業のテーマはINTRODUCTION TO STATISTICSで、統計の重要単元である確率に取り組んでいました。数学は概念理解の積み重ねという見方ができますが、統計の根本的概念については次のように数学用語の定義の確認により概念理解を促す手法でした。
Statistics= the study of data
Data= a collection of facts, which come in the form of numbers
最初のペアワークでは、“What is your phone number?”といった、生徒にとって身近で平易な内容から始めて、その後徐々にレベルアップしていく配慮がありました。event(事象)とcomplement(余事象)など重要用語については須藤先生が丁寧な解説を行い、生徒の理解度について常に細心の注意を払っている様子でした。英語面では、須藤先生の問いかけに答える生徒の発音は極めて正確で、普段の授業から正確な英語のインプットとアウトプットに取り組んでいることが窺えました。

豊島岡女子学園中学校・高等学校 豊島岡女子学園中学校・高等学校

最後は生徒全員が起立して、須藤先生から次々と出題される確率の文章問題を読み、正解を言えた生徒から着席できるというタスクでした。生徒の競争心を煽りながら、英文を素早く読むトレーニングと数学理解を同時に進める効果的な方法という印象でした。一例として、
What is the chance of picking a vowel from the letters in the word“CHANCE”? という問題に対して、2/6をきちんと約分して “One-third”と答えられた生徒がいました。
探究集中実習を意識して、普段から生徒は高い学習意欲をもって授業に出席していることが想像できました。しっかりとした教科間連携をベースとして、英語習得と教科内容理解の両面に効果を発揮するCLIL本来の魅力が満載の授業でした。


END