明治大学付属明治高等学校・明治中学校の英語授業のご紹介
【明治大学付属明治高等学校・明治中学校について】
1912年に旧制明治中学校として開校した110有余年の歴史を持つ明治大学の直系付属校。
2008年に神田猿楽町から調布に移転し、同時に男子校から共学校となった。「質実剛健」、「独立自治」が校訓であり、高大連携のメリットを活かし将来を見据えた実践教育を行っている。
高等学校1・2年次は殆ど全ての科目を必修とし、幅広い観点から基礎学力の土台を養成している。3年次では文系・理系の2コースに分け、進路に合った専門性の高いカリキュラムを展開し、更に選択科目を設けて明治大学入学後にも活きる広範囲な基礎学力を固めている。グローバル化が加速している社会で生きる力を養うため、夏期にカナダのボドウェル校での2~3週間のアカデミック・プレパレーション・プログラムや、高3冬期にカナダのヨーク大学での3カ月研修など、豊富な国際連携のプログラムが準備されている。中3・高1でスピーチコンテスト、高2・高3でプレゼンテーションコンテストが実施され、入賞者には短期留学のための奨学金が贈られる。また、図書館には洋書8000冊が並び、英語多読が活発に行われている。
英語科原島章暢先生による、高校2年英語コミュニケーション授業 Reach an Agreement!のご紹介です。今回の授業はCALL教室で生徒全員がPCの前に座り、原島先生自作のワークシートを用いてall Englishで行われました。生徒が英語で論理的に相手と話し合い、最終的に意見の合意をするというゴールが明確に設定されており、そこに至るまでのステップが幾つか用意された緻密な授業デザインです。授業の冒頭で行った、Let’s share feelings with each other. というペアワークでは、会話を始める前に Hi!と相手に呼びかけ、eye contactもして実際にコミュニケーションを取っているかたちが再現されていました。その際に、論理的に話すためには意見のreason(理由)をfact(事実)とともに説明すること、話をする際には相手の気持ちや自分との関係性に配慮することなど、和やかにコミュニケーションを行うための重要点を原島先生が解説されていました。

トピックは第一志望の東京の大学受験に合格した女子生徒が地元を離れて東京に行きたいと考えており、地方に残ってほしいと考えている母親を説得する設定でした。そこで娘役の生徒による I’m so happy now. など臨場感溢れる発言がありました。複数あるペアワークの前にワークシートに発言のポイントをチャンクにして記載させたり、途中で重要語句の正しい発音と意味の確認を行ったりしていました。これらの工夫により、どのペアもしっかりとした内容を正しい発音で会話していました。また母親役の生徒に生活費や学費をどうするか質問された娘役の生徒が、I will use a scholarship.(奨学金を使う予定)と答えるなどレベルの高い会話を行っているペアもありました。
PCソフトのディクテーション機能を使い、2人の生徒が会話を行った内容をPC画面上でリアルタイムで文字起こしして、生徒自らがエラーチェックする場面もありました。これについては授業内で終わらない生徒もいた様子で、原島先生がYou should save the data. You can check your spoken English later. Maybe tonight.と説明していました。これはすき間時間や家でも必ず自分がアウトプットしたことを見直す大切さを生徒に理解させる意図があるように思われました。

新しい技術を有効活用し、生徒が活動したことをすぐに振り返りながら、修正も自分で行うことが実現できていて感慨深いものがありました。このような授業を継続していけば生徒が着実に英語力もコミュニケーション力も高めていくという期待が持てました。最後に原島先生が授業用に作成されたキャラクターカードの掲載許可を頂きましたので添付致します。
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