埼玉県立和光国際高等学校のグローバルイシューズ授業のご紹介
学校紹介【埼玉県立和光国際高等学校について】
埼玉県立和光国際高等学校は1987年に公立高校としては全国初の国際高校として開校した。2004年には文科省から「スーパーイングリッシュランゲージハイスクール」の指定を受けた。教育理念は「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」であり、オーストラリア・イギリスでの2週間のホームステイ研修など多様な海外体験プログラムを実行している。また20か国を超える国々から毎年訪問者があり、日本においても国際交流できる環境が整っている。英語力の向上と教科理解の両立が可能であるとして近年導入校が増えているCLIL(内容言語統合型授業)については、2011年から上智大学と連携して継続実施しており、日本における先駆者的存在といえる。2026年の埼玉県立和光高等学校との合併をひかえ、国際理解教育を更に充実させたカリキュラムを準備している。現在の外国語科は2026年より国際科となり、確かな語学力と国際感覚を養うために、豊富な英語の授業・国際科の専門科目・3年間通しての第2外国語学習等を行う予定である。
また2025年9月に、ロンドン大学とのパラレル・ディグリー・プログラムを持つ武蔵大学と高大接続・連携に関する協定を締結したことにより、将来的にロンドン大学の学位取得というコースも視野に入っている。
外国語科2年のグローバルイシューズ授業は、英語科山崎先生とオーストラリア人のKento講師による、all English team teaching で行われました。題材は Japanese Classical Essays(日本の古典随筆)の中でも3大随筆とされるA:The Pillow Book(枕草子)、B:Hojoki(方丈記)、C:Essays in Idleness(徒然草)でした。授業冒頭で、山崎先生作のワークシートに基づき、Do you think people’s way of thinking is different if they live in different times of history or different countries? And why(not)?(もし歴史上違った時代に住んでいたり、違った国に住んでいたら、人々の考え方は違っているとあなたは思いますか? そしてそう思う・思わない理由は?) という問いに、まず生徒が考えを記入しました。多くの生徒が、時代や国が違えば考え方も異なっているのではないかという回答でした。その後同校が長年取り組んでいる知識構成型ジグソー法により、生徒はA、B、Cの3つのグループに分かれてそれぞれの随筆の英文を読み、気づいたことを話し合いました。古文の用語が理解できなくても、英訳された文だと意味が明確になることに気づいた生徒が多い印象で、国語の授業で分からなかったことが英語の授業で理解できたという発言をしている生徒もいました。徒然草の「花はさかりに、月はくまなきをのみ、見る物かは。」という部分の意味を理解しかねていたグループは英訳の、Are we to look at cherry blossoms only in full bloom, the moon only when it is cloudless?(我々は桜を見る時は満開の時だけであろうか、月を見る時は雲の無い時だけであろうか)を読み、疑問が解けた様子でした。授業後半では、その時代の状況や環境が人々の思考に影響を与えている可能性を古文分析から発展させて検討したグループもありました。戦争時には攻撃的思考の人が増え、平和時には優しい思考が増える可能性について発言した生徒もいました。最後に、授業冒頭で使用したワークシートの問いと同じ、Do you think people’s way of thinking is different if they live in different times of history or different countries? And why(not)? への答えを生徒が再度記入しました。すると、当初は時代や国が違うと考え方も違うと殆どの生徒が書いていたのに対し、今度は同じ考えもあり得る、或いは似通っているとする生徒が何人かいました。異文化理解とは海外の文化を理解するだけでなく、自国の時代が異なる人々の考え方を推測することも含まれること、更に相違点だけでなく共通点にも気づくという、深い理解が促される授業には感銘を受けました。END
