教育開発出版の中学看板教材
「新中学問題集」が約半世紀
人気な理由と、
教育開発出版の教材づくりで
大切にしているポリシーは?
取締役 編集制作部 部長の里田からのメッセージです。
■『新中学問題集』が約半世紀人気な理由は?
ずばり「不易流行」だと思います。そのことを語るために、『新中学問題集』の歴史を紐解きますと……
教育開発出版の看板教材『新中学問題集』は、1969年創業から7年後の1976年に、「日本初の塾専用教材」として『中学英語問題集』『中学数学問題集』『中学国語問題集』の名称で創刊されました。「学校では扱わない」ハイレベルな問題を集めた硬派な問題集でした。
2年後にはさらなる完成度を目指し『新中学問題集』としてリニューアル、1980年代に入るとハイレベル路線はそのままに、細かく型分けされた簡潔な導入を持ち、あらゆる問題パターンを網羅した「データベース型問題集」としてブラッシュアップを続けます。
1980年代中盤の学習塾業界の活況を受け、「標準編」と「発展編」に分岐。「標準」とは言っても、公立トップ校を狙う位置付けで、現在まで続くシリーズの基礎が確立しました。
2000年代の「ゆとり時代」における学習指導要領の「歯止め規定」や教科書内容の「3割削減」に対しても、『新中学問題集』は内容・分量を維持し、生徒の学力向上を訴え続けました。
こうして、『新中学問題集』は塾教材のスタンダードとして、塾の先生から「この問題集を隅々までやれば、どの学校でも入れます」との評価をいただくまでとなり、私立学校でも副教材としてお使いいただくシリーズとなりました。
明確で妥協の無い目標設定と、入試のどんな出題にも対応できる幅広い問題パターン、信じてお使いくださる先生・生徒の皆様を絶対裏切ることのない問題集を!との強い想いが教育開発出版のDNAとなり、2010年代以降は「学力向上への確信。やっぱり!」を合言葉に、「思考力・判断力・表現力」の訴求も含む本冊の益々の改善はもちろん、目的別周辺教材の充実、デジタルコンテンツの拡充、他企業とのコラボレーションによる「イマージョン教材」「オンライン英会話」といった関連サービスの開発など、さらなる進化を続けているのです。
■教材づくりで大切にしているポリシーは?
上述のとおり、『新中学問題集』は、教育開発出版の社員、特に編集制作スタッフのDNA、教材づくりの礎となっており、『新中学問題集』以外のシリーズ制作においても、教材の目的に沿った十分な問題量が確保されること、学習効果が最大に上がる配列となることに、細心の注意を払っています。
編集者の担当教材に対する思い入れは深く、上記の目的を果たすために、原稿や校正紙への朱字入れ(指摘・訂正)に膨大な時間(と赤インク!)を使います。
ここで気を付けなければならないのは、その思い入れゆえに独善的にならないことです。そのため、制作・編集には外部の協力を必ず得ること、編集者も教育業界の動向を含め常に視野を広く持つことを心掛けています。
一方、昨今のデジタルの進展のスピードには目を見張るものがあります。教育開発出版でもデジタルコンテンツの開発・提供に取り組んでいますが、現時点では、紙教材にデジタルをどう効果的に組み合わせるか、ということに重点を置いています。教室での学習を補完・発展させるところにデジタルのメリットを生かすべきという考えで、そのためにも、根幹となる『新中学問題集』を中心とした教材の充実発展に、引き続き邁進する所存です。