CROSS TALKクロストーク

創業の1969年から未来を創造し続けた。中堅社員が語る「変わるもの、変わらないもの」

  • 川口 哲史

    2009年新卒入社

    〈旧所属部署〉
    営業本部 横浜営業所(2009年~2013年)
    制作本部 社会課(2013年~2022年)

    〈現所属部署〉
    総務部 総務課(2022年~)

  • 関 良平

    2007年新卒入社

    〈旧所属部署〉
    制作本部 編集部 国語課(2007年~2018年)
    営業本部 販売促進課(2018年~2022年)

    〈現所属部署〉
    営業推進部 システム統括課(2022年~)

教育開発出版の歴史は、「新中学問題集」の歴史でもある。先生の声によって生まれ、先生の声によって進化していく教材教育開発出版の歴史は、「新中学問題集」の歴史でもある。先生の声によって生まれ、先生の声によって進化していく教材

  • 教育開発出版の創業は1969年。看板商品である「新中学問題集」初版のリリースは40年以上前だと聞いています。私は2018年まで編集部に在籍していたのですが、全国の学習塾や私立中高の先生たちの間での知名度の高さを実感する機会は多かったですよ。

  • 川口

    創業間もない1970年代当時は学習塾専用の教材がほとんどなく、「市販の教材じゃ物足りない」「もっと使い勝手の良い教材がほしい」といった塾の先生たちの要望を受け、つくられたのが「新中学問題集」だったそうですね。

  • 学習塾の大きな目的のひとつが、志望校に合格できる学力を育むこと。幅広い学力の生徒に合った定番の問題と、都道府県ごとの入試傾向を細かく分析した最新の問題がバランス良く掲載されていることが、ロングセラーの本質的な理由なんじゃないでしょうか。新学習指導要領の内容もしっかりと反映されています。

  • 川口

    私は、営業を経て編集部に異動になりました。編集部を経て、営業として活躍していた関さんとは感じ方が近そうです。私の目から見た「新中学問題集」は、「先生の声によって生まれ、先生の声によって進化していく教材」ですね。

  • その通りだと思いますよ。よりハイレベルな問題を掲載した「発展編」や、類題演習に特化した「演習編」などの周辺教材も、先生たちの要望に応えるかたちで生み出されたものですから。

  • 川口

    あらゆる使い方に対応できるので、逆に「先生を選ぶ教材」と言われた時期もあったそうです。膨大なコンテンツから、生徒に合った問題をピックアップする能力が求められ、経験の浅い先生にとっては使い勝手が良くないと。

  • そこで導入されたのが「必答マーク」ですよね。「これさえ押さえればOK」という重要な問題にアイコンをつけ、簡単にピックアップできるようにした。短時間で効率的に学べるという意味でも、時代のニーズに合ったブラッシュアップだったんじゃないでしょうか。

  • 川口

    新学習指導要領は、「思考力・判断力・表現力」の育成を重視していますが、これらの「生きる力」を育むには、土台となる基礎学力が必要ですよね。安価でありながら、社会に出てから役立つ能力もしっかり身に付けられる「新中学問題集」は、やはり、世の中にとって価値ある教材だと思うんです。

  • 教育開発出版にとって、今後の発展の鍵を握る存在なのは間違いないと思います。この貴重な財産をさらに進化させて、これからの教育業界を大きく盛り上げていきたいですね。

加速するICT化によって、変わりゆく業界のニーズ。業務が逼迫する教育現場に「革命」が起こった加速するICT化によって、変わりゆく業界のニーズ。業務が逼迫する教育現場に「革命」が起こった

  • 2007年に入社した私にとって、2010年から2013年にかけて総務省が実施した「フューチャースクール推進事業」は、業界のニーズの変化を語る上で重要なトピックです。主に学校現場におけるICT活用を推進するものでしたが、同時に学習塾からも、「ライバル塾との差別化のためにICT教材を導入したい」という要望が多くあがるようになりました。

  • 川口

    教育開発出版がICT教材を本格的につくりはじめたのもその頃からでしたよね。「デジタル新中学問題集」のリリースも同時期です。パソコンとプロジェクターを用いて誌面をホワイトボードに映写できるもので、付箋機能や英文の読み上げ機能などが搭載されています。最先端技術に慣れた今となっては原始的な機能に思えますが、先生たちにとっては、板書を行う手間を省けただけでも十分に画期的だったと聞いています。

  • 長くアナログであった教育現場にとっては、革命的な出来事だったと思いますよ。2011年に「ゆとり教育」の時代が終わり、今も、学習量は膨大化し続けています。テクノロジーを駆使し、いかに先生の負担を軽減していくか。これからも向き合い続けなくてはならない課題です。

  • 川口

    本当にそうですね。「デジタル新中学問題集」からスタートした「デジタル教師用シリーズ」は、今ではアプリ版ができ、iPad対応もしています。自宅での予習・復習用の教材としてリリースされた「映像・新中学問題集」と共に、教育開発出版を代表する教材へと成長しました。

  • そういえば、先生の業務効率化を支援するツールで言えば、2010年代以前にリリースされた自社サービスで忘れてはならないものがあるんですよ。

  • 川口

    「eトレ」ですか?私が高校生だった2003年頃から販売されているロングセラーヒット商品ですよね。

  • はい。100万題の中から、一人ひとりの学習状況に応じて問題を選択し、プリントとして出力できる「eトレ」は、生徒の苦手分野を洗い出すのにも有効。学習履歴から個人診断票が簡単に作成できるので、生徒全員分の学習結果をExcelなどで細かく管理する……といった煩雑な作業を削減できたと好評だったそうです。

  • 川口

    パソコンに保存したデータを学習ログとして活用しながら、個々の生徒の理解度に合った問題用紙を印刷し、解答させる。デジタルとアナログの良いとこ取りのような商品ですね。「eトレ」販売によるノウハウがあったからこそ、フューチャースクール推進事業の実施を受け、タイムリーに自社コンテンツをICT化できたんですね。

  • まさにそうですね。学びの「効率化」に加えて、学びの「個別最適化」にいち早く対応している点でも、なかなか先進的な考えで開発された商品だなと思います。

「個別最適化教育」の時代におけるオンライン教材の意義。テクノロジーと人が有機的に結び付くシステムとは「個別最適化教育」の時代におけるオンライン教材の意義。テクノロジーと人が有機的に結び付くシステムとは

  • 川口

    2019年に文部科学省が「GIGAスクール構想」を打ち出したことで、教育のDX化が加速しています。激しい変化の波に乗り遅れないためには、今まで以上に敏感に業界のニーズをキャッチしなければなりませんね。

  • GIGAスクール構想によって「1人1台端末」が実現すれば、家庭でのオンライン学習がさらに身近なものになるでしょう。オンライン学習において、塾のサービスが担える部分はかなり大きいと見込んでいます。

  • 川口

    関さんは、小中学生向けの英会話レッスン「オンライン英会話」を、学習塾と共同開発しましたよね。教育開発出版の豊富なコンテンツの中から、必要なものだけをピックアップして組み合わせるカスタマイズ教材の需要はもともとありましたが、今後は、学習塾オリジナルのサービスを一緒につくっていくケースが今まで以上に増えていくのでしょうか。

  • 少子化で生徒数は減少し続けていますし、時代に合った新しいサービスを次々と生み出し、ライバルとの差別化を図らなくては、今後生き残っていくことは難しいでしょう。そしてそれは、私たちコンテンツホルダーにも言えること。お互いの存続と発展のために手を取り合い、「他社にはない、ここだけの商品やサービス」を開発する機会はどんどん増えていくと思いますよ。

  • 川口

    今まで以上に、商品やサービスの付加価値が求められるということですね。GIGAスクール構想は、クラウドを活用した双方向型授業などで生徒一人ひとりの反応をキャッチし、個別最適化された教育を実現しようとしています。例えば、オンラインでの自習中に、同じ単元の問題を間違い続けたら、AIの先生がわかりやすく教えてくれる……といった機能があれば、個別最適化学習ツールとしての付加価値をアピールできるのではないでしょうか。

  • オンライン自習室的なサービスですか、いいですね。GIGAスクール構想が大きな成果をあげ、AIやRPAの導入によって教育現場の業務効率化が果たされたとき、限りある先生のリソースは、いわゆる「メンター」としての役割に多く割かれるようになるのではと予想しています。多様な子どもたちの心に寄り添い、学習進捗や志望校選択についてアドバイスするだけでなく、ときには、さまざまな悩みに耳を傾ける。AIには決してできないことです。

  • 川口

    教材が先生の役割を担い、先生がメンターの役割を担う。テクノロジーと人が有機的に結び付く、魅力的なシステムそのものを生み出していきたいですね。

徹底したユーザー目線を貫きながら、新たな市場を開拓。これまでにない、革新的な商品を生み出すために徹底したユーザー目線を貫きながら、新たな市場を開拓。これまでにない、革新的な商品を生み出すために

  • 川口

    以前、新中学問題集の公民を使っていただいている学習塾の先生から、「これで勉強したらテストで90点がとれたって生徒が喜んでいたよ」と教えていただいたことがあって。私たちの直接のお客様は、学習塾や学校といった教育機関なので、どうしても、教材を使って勉強する生徒たちと「感覚のズレ」が生じてしまうケースがあると感じています。そんな中で、「学力が上がって、以前よりも良い点がとれるようになる」という、そもそもの目的に合った教材がつくれていることが実感できて、とても嬉しかったんです。

  • 教育機関、先生、そして生徒。すべてのユーザーの悩みに真剣に向き合い、誠実に、きめ細やかに支援する。絶対に変えてはならない、私たちの事業の根幹となる姿勢ですよね。特に、子どもたちの「わからなかった問題が解けるようになって楽しい!」というネイティブな感情は、これからも大事にしていきたいと考えています。

  • 川口

    徹底した「ユーザー目線」さえ変わらずに持ち続けていれば、それ以外に変えてはならないものはないのかもしれませんね。長い歴史があり、良質なコンテンツが充実していることが私たちの強みです。時代に合ったアップデートを繰り返すのと同時に、新たな販売チャネルの確立が必要だと感じています。

  • 少子高齢化が進み、やってくるのは「人生100年」時代。誰もが、最後まで充実した人生を送りたいと考えています。これからの10年で、「生涯学習」が、ますます重要なキーワードになっていくのではないでしょうか。シニア層の「学び」市場は、未知の可能性を秘めています。今までは、小中高生向けの教材をつくり、販売していた私たちですが、この市場を開拓しない選択肢はないと個人的には思います。

  • 川口

    私や関さんが入社した十数年ほど前と今とでは、世の中の常識そのものがガラリと変わりました。つまり、現時点での常識も、10年後にはどうなっているかわからない。そういう意味で、これから入社する仲間には、前例にとらわれることなく、自分自身の道を切り拓いてほしいですね。

  • 最先端テクノロジーへの嗅覚は、どう考えても私たちより優れている世代。教育開発出版では、入社年次や所属部署にかかわらず、誰でも企画書を提出できます。自分の目や耳でキャッチした情報を企画に落とし込み、これまでの教育開発出版にはない、革新的な商品を生み出してくれることを期待しています。

  • 川口

    一緒に、今ある常識を壊し、業界をより良くしていきましょう!

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